隣に座っていいですか?

朝になり

桜ちゃんが起きて来て
バタバタと支度をして
「いってきまーす」と家を出る。

彼はまだ下に降りて来ない。

冷めたカフェオレを口にして、私もちょこんと椅子に座り込む。

熟睡できなかった。

彼を怒らせたかもしれない
彼を不安にさせたかもしれない
彼を傷付けたかもしれない

って

ひとり反省して
何度も寝返りを打ちながら
大きなベッドでそのまま朝となる。

9時になったら
バイトに行かなきゃ。

彼は起きて来ないから
徹夜で仕事でもしてるのかな

いつものように
コーヒーを運ぼうか

そんな事を思っていると
彼が階段から降りてきた。

「おはよう」

いつもの彼だった。


「おっ……おはよう」

多少の緊張を交えつつ挨拶をし、私は立ち上がりコーヒーの用意を始めた。

「桜は行きました?」

「うん。さっき」

「残念」

新聞を手にして
何事もなかったように普通の日常。


昨夜の事は
無かった話にしてくれるのかな。


ごめんね

そして

ありがとう。
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