隣に座っていいですか?


「寝不足ですか?」

助手席であくびをする私をからかう彼。

「おかげさまで」
嫌味を言うと

「それとも足りなかった?」
笑ってアクセルを踏む。

足りないわけないでしょう

もう
しばらくいいですってくらいでした。

知らん顔で横を向くと

「『セックスは子作り』って前に言ったけど」

お日さまの高い時間から【セックス】言われて、飲もうと思っていたお茶を吹き出し笑われた。

タオルハンカチで拭いてると

「そうは思ってないから」

前を向いたまま彼は言う。

「郁美さんが愛しくて大好きだから抱く。子作りだけのものなんて考えてないから」

「うん」

「これからも」

「うん」

「どんな小さな事でもいいから、何かあったら言ってほしい。僕は郁美さんが大好きだから、嘘偽りなくきちんと答えるから」

「うん」


きっと

そうやって

私達は夫婦になって

家族になるんだろう。
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