隣に座っていいですか?
「桜ちゃんはお母さんに会えないのでしょうか?」
そう言うと
田辺さんは苦笑い。
この誤魔化すような
ヘラヘラ笑いも気に入らない。
「田辺さんがどんな理由で別れたかはわかりません。でも桜ちゃんは母親が恋しいんです。お母さんに会いたいんです」
返事はなく
困った顔になる
「一生懸命こらえてます。まだ人生5年しか生きてないんですよ。大人の理由で母親に会えないなんて、かわいそうだと思いませんか?」
怒りのボルテージが上がる。
返事ぐらいしてよ。
お互い目をそらさず
顔を見合す。
しばらく黙っていると
田辺さんが沈黙を破る
「桜は『母親に会いたい』って言ってましたか?」
静かにそう聞く
「言葉にはしてませんが、その想いは伝わってます」
ぴしゃりと言い切り
私は背中を向け
玄関へと進む。
情けない男
ただ
それだけ……。
そう言うと
田辺さんは苦笑い。
この誤魔化すような
ヘラヘラ笑いも気に入らない。
「田辺さんがどんな理由で別れたかはわかりません。でも桜ちゃんは母親が恋しいんです。お母さんに会いたいんです」
返事はなく
困った顔になる
「一生懸命こらえてます。まだ人生5年しか生きてないんですよ。大人の理由で母親に会えないなんて、かわいそうだと思いませんか?」
怒りのボルテージが上がる。
返事ぐらいしてよ。
お互い目をそらさず
顔を見合す。
しばらく黙っていると
田辺さんが沈黙を破る
「桜は『母親に会いたい』って言ってましたか?」
静かにそう聞く
「言葉にはしてませんが、その想いは伝わってます」
ぴしゃりと言い切り
私は背中を向け
玄関へと進む。
情けない男
ただ
それだけ……。