隣に座っていいですか?

気付いたのは
胸に抱いていた小さな重みが
そっと浮き上がり
どこかへ移動した時。


何時だろう。

桜ちゃんは大丈夫かな。

あぁ
目を開けたいけど

開かない。
接着剤でふさがれた気分。

うとうとと
とっても心地よい。

そして
誰かの気配

壁に背を預け
眠る私に近づく気配

それは
甘く優しく柔らかい

吐息がかかる

鼻が重なる

そっと自分の唇に
相手の唇が重なる

小さな弾み
キスがいっぱい

唇が割られて
そっと舌が入る

甘いキス

優しいキス。

「好きです」

大好きな声を聞きながら

私の目は
どうしても
開く事ができなかった。

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