今宵、きみを想う
 *


 前髪に優しく触れて顔を上げたら



 「ん……」



 小さく声を漏らしながら、彼が伸びをした。


 起こしちゃったかな……って申し訳ない気持ちになったけど、起きちゃったものは仕方ない。


 シーツを手繰り寄せて、少しだけ距離を開けて



 「おは、よ?」


 
 小さく声をかけると


 
 「おはよ」



 まだ少し眠たそうな声で、カチャリとメガネを取りながら彼から返事が返ってきた。


 いつどんな時も、必ず私に返事をくれる彼。


 そんな姿勢が、好きだって思う。
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