背徳味のキス
「先輩の体って小さくて可愛いですね」
「なっ……」

顔がカッと熱くなって、その腕から逃れようとすけれど……彼の力には抗えなかった。

「俺だったら先輩にこんな顔させないですよ……絶対」

涙目になっている私の顔を持ち上げ、彼は息がかかるほど近くに顔を寄せてきた。

「……」
「俺にしちゃってくださいよ……」

ちょっとだけ甘えた声と瞳でこんなふうに迫られたら……彼氏の顔も霞んでしまいそうだった。

「弱った女に付け入るなんて卑怯よ」

精一杯の強がりでそう言ってみるけど、彼はさらに顔を近づけてくる。

「俺が最低だって……知りませんでした?」
「……」

避けようと思えば避けられたキス。
でも、私は何も言わずに彼からの口づけを受けていた。

甘くて切ない背徳味のキス。

「柏原くん……」

気付くと、私は彼の唇をすっかり受け入れ……さらに自分からも積極的にそれに応えていた。

END
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