気まぐれ王子とサル女
けど、恋愛感情とかは無いし
陽葵に「好き」とか言うのは
日常茶飯事。
陽葵は「はいはい。」と言って
私の言葉を流してしまった。
「じゃ、俺そろそろ行くわ。」
陽葵がその場から去ろうとしたので
私は、「愛してるよ♡」と言い
投げキッスをした。
「俺はそんな簡単に落ちないぞ。」
そう言って私の髪を
クシャクシャっとすると
「じゃ。」と言って去ってしまった。
「お前さ、気軽に“好き”とか
言うんじゃねぇよ。
今朝だって俺に言っただろ。」
不機嫌な顔をしながら
爽太は私に問いかける。
今朝の声聞こえてたんだ…。
確かに私は爽太にも陽葵にも
恋愛感情はない。
でも、でも、
「でも、好きだよ?…2人のこと。」
「そういうの別にいらないから。」
爽太は足早に教室へと戻って行ってしまった。