気まぐれ王子とサル女



けど、恋愛感情とかは無いし
陽葵に「好き」とか言うのは
日常茶飯事。




陽葵は「はいはい。」と言って
私の言葉を流してしまった。




「じゃ、俺そろそろ行くわ。」




陽葵がその場から去ろうとしたので

私は、「愛してるよ♡」と言い
投げキッスをした。



「俺はそんな簡単に落ちないぞ。」



そう言って私の髪を
クシャクシャっとすると
「じゃ。」と言って去ってしまった。




「お前さ、気軽に“好き”とか
言うんじゃねぇよ。
今朝だって俺に言っただろ。」




不機嫌な顔をしながら
爽太は私に問いかける。


今朝の声聞こえてたんだ…。


確かに私は爽太にも陽葵にも
恋愛感情はない。


でも、でも、


「でも、好きだよ?…2人のこと。」



「そういうの別にいらないから。」



爽太は足早に教室へと戻って行ってしまった。






< 54 / 213 >

この作品をシェア

pagetop