【完】保健室で君と××~プレイボーイとイケナイ恋愛授業~
見るからに恋愛経験値の低い私をからか
ってるに違いない。
そう思いながら、乱雑にミルフィーユを
口内に放り込む。
せっかくのミルフィーユの味も、心臓の
ドキドキに邪魔されて、あんまりわから
無くなった。
「……目立つわね」
ミルフィーユをちょこちょこと口にしな
がらそう呟いた私に、きょとんと首を傾
げる香坂。
なんでもない、と言ってから、はぁ、と
ため息をついた。
やっぱり香坂は、どこにいても目立つ。
相変わらず金平糖みたいにキラキラして
るその金髪も目立つし、それに加えて、
この容姿。
さっきから痛いくらいに女の子の視線を
浴びてること、こいつは気づいているだ
ろうか。
それに、妬みの視線もちらほらと私にぶ
つけられている。