【完】保健室で君と××~プレイボーイとイケナイ恋愛授業~
どんどんふわふわと細く途切れていく意
識の中で捉えた香坂の顔は、不敵そうに
笑っていて。
それでも瞳だけが、寂しい色を映して。
―――次に目が覚めたら、香坂は居なか
った。
その代わりにお母さんが帰ってきていて
、私が起きたのを見ると、ちょっと笑っ
た。
「おはよう希美。随分寝てたのね。結構
熱も上がったみたいだし」
「あれ、お母さん―――……」
「もう、夜の9時よ。夜ご飯、食べられ
る?」
そんなお母さんの言葉に頷き、立ち上が
ると、少しだけクラッとした。
「ああ、そういえば―――」