睡魔をイケメンに擬人化してみた
かくして敷布団は、掛け布団とは正反対のイケメン男子となった。
栗色でウェーブのかかった髪、くっきり二重で、まつ毛がクルンとカールした、タレ目がちの目。
口元の上品さが、くどくなりそうな顔を、絶妙のバランスで高貴な雰囲気に仕立て上げている。
そして彼もまた半裸で、真紅の布を腰に巻きつけ、黒豹男子に半分体を乗せ、なつみを見ている。
動物に例えるならば、”木の枝の上で午後の昼寝をするピューマ”である。
「うおお!たまらん・・・!」
なつみの興奮はマックスとなった。
もう、見ているだけで蕩けてしまいそうである。
今、目の前のベッドには、妄想とは言え、二人のイケメンがなつみを手招きして待っている。
ピューマ男子「なつみ、そろそろ寝よう?布団は俺たちが温めておいたぜ。こち来いよ」
黒豹男子「なつみ。今日もお疲れ。」
そう言って二人は体を絡ませ合いながら、なつみを誘惑してくる。
―なにこの目の保養状態!!
なつみは、彼らの中に飛び込みたくて飛び込みたくて震えた。
しかし、妄想力とは恐ろしいものである。
なつみの妄想はよからぬほうに働き出した。