睡魔をイケメンに擬人化してみた

睡魔「で、どうすんの」

なつみ「えっ、何が」

睡魔「うーん…。なんでこんな反応鈍いんかな。あんたが呼んだのに」



-イラッ。…な~んか、えらそうだなぁ。睡魔って、いちおう悪魔みたいなもんなんだから、もっと誘惑口調でもいいんじゃないの?



睡魔がゆらっと動き、なつみとの間合いを詰めた。


睡魔「あー…。今、俺のこと”えらそうだ”って思った?もっと優しくしてほしかった?悪いけどね、あんたのキャラ設定が甘かったんだよ。無愛想だけど優しい、なんて奴、いないから。それ、都合のいい妄想だから」


睡魔は優しい笑顔を作って、なつみの肩に両手をまわす。


なつみは硬直して動けない。


目の前に睡魔の顔がある。


なつみは睡魔の瞳に自分の顔が映っているのを見つけた。


睡魔「あんたが、心の奥深くで望んでいることを、これから叶えてやるよ」



-わー…綺麗な顔。



この世に、こんなにも美しいものがあるのか。

なつみは睡魔に見とれた。



睡魔「ねぇ…そろそろ俺とイチャイチャする時間だろ?一緒に寝ようぜ」



-さすが、わたしの妄想だわ…。


パパパパパーーーーーン!!


耳元で囁かれた声が、まるで天使のラッパのように脳内に響き渡る。
それと同時に、全身に電流が走るのを感じ、なつみは意識を失った。


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