睡魔をイケメンに擬人化してみた

6 事件は会議室で起こってる!


「今朝のあれはなんだったんだろう」


昼休みを終えると、なつみは会議室にいた。

目の前の書類とにらめっこをしつつ、頭の中では疑問がぐるぐると回っていた。



-一体どこまでが本当にあったことで、どこからが夢なんだろう。


なつみは今朝の記憶を蘇らせた。

フワフワした髪の毛と、その中から現れる、ゴツゴツした角の触感。

長いまつげ、白くてスベスベした肌、布団にくるまり曲線を描く背中。



-夢にしてはやけにリアルだったなぁ。それに…。



会議室は薄暗く、プロジェクターでいろいろな資料が映し出されている。



―それに、いい匂いがした。本当に、春の芝生の匂い。



そして、抱きしめられていた感覚と、体温。



そこまで考えると、一瞬で顔に血がのぼった。つられて背中も汗ばむ。



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