睡魔をイケメンに擬人化してみた
-ひ、ひさしぶりに、男の人の腕に、抱かれてしまった…。
思い出したら、心臓の音がドクンドクン言い出した。
―力強かったんだもん…。夢なのにリアルすぎる質感…やばいよ。やばすぎる。
なつみの記憶は自由に動き出し、いつしか妄想が始まった。
妄想が進むとともに、鼓動はますます早くなる。
いつもなら眠くなる会議も、今日は全く眠くならない。とはいえいつもと同じく、内容はあまり頭に入ってこないのだが。
…シャン。
突然、なつみの近くで何かの音がした。が、妄想がイイトコロに差し掛かっていたため、聞こえていなかった。
シャララン。
また音がした。軽くて小さな金属が擦れ合う音だ。
今度はなつみも音に気づき、軽く周りを見渡した。