なんで俺じゃあかんねん

俺は、あれから、月曜日以外はだいたい毎日、部活終わりに雅さんのピアノを聞きに行っていた。

最初のころは、緊張しているようだった雅さんも

もう最近では俺がいてもそんなに気にはならないみたいだ。

そして、雅さんから感じていた俺に対しての壁?みたいなのも

もうそんなに感じなくなっていた。

相変わらず、俺以外には一線置いている感じだけど。

雅さんはやっぱり、人よりちょっと人見知りなだけな普通の子だった。



「ハル?ハール?」

「え?なに、遼。」


今は昼休みで、いつもどおりバスケ部1年で食堂にいる。


「なに?じゃないって、俺らのクラスでも噂になってんねんで?」

え・・・・?

やっば。まったく聞いてなかった。

「なにが?」

「"天才少女・雅 葉月と学年一のイケメン・坂井 春也は付き合ってる"って!!」

「はあ!?」

雅さんと、俺!?

「なに、それ・・・・。」

「違うんか?」

同じクラスの斉藤までがそんなことを言ってくる。

「だって、雅さんとハル、めっちゃ仲いいやんけ。

ていうか、雅さんとまともに話してるのって、ハルだけちゃう?」

「確かに。」

リキトまで・・・!

おまえは、俺の好きな人知ってるやろ!?


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