なんで俺じゃあかんねん
「どんな人か、だけでも教えてや。」
全然口を割らない俺に祥ちゃんが一歩ひいてくれた。
「どんなって・・・・」
「タメ?」
「ううん。」
「え、年下とか?」
「いや、一個上。」
俺の答えが意外だったのか、ちょっと静かになる。
「ハルって、年上好きやったんや・・・。」
遼がぽろっと漏らす。
「別にそういうわけじゃないけど。」
まあよくわからん。
あいつ以外に好きになった奴おらんし。
「うんうん、それで?どんな人なん?」
どんなって・・・・
難しい質問やな。
ちょっとリキトを見てみると、リキトも何気に興味を示している。
たぶん、あいつのことやから
俺が葵のどこを好きなんか知りたいとかそんなとこやろう。
「簡単に言うと、えらそうで、うるさくて、常識がない。」
そう答えると
全員の目が点になった。
「そんでもって、ひと言ひと言が勘にさわる。
話してるだけで腹たつこともある。」