なんで俺じゃあかんねん

入学式も終わり、クラスが発表されて俺とリキトは教室にいた。

つまり、リキトと同じクラスだった。

しかも、隣の席って。

・・・なんやねん、これ。



先生も誰も来ていない教室の中。

生徒たちは、友達作りのための会話を始めている。


「俺、斉藤 一(さいとう はじめ)。よろしく~。」

俺の前の席の奴が後ろをむいて話しかけてきた。

「斉藤 一!?え?おまえ、それ・・・」

俺も思ったことを横のリキトが口にした。

「うん。母親が新撰組ファンやねん。

斉藤さんと結婚したときから、男が生まれたら(はじめ)って決めとったらしいわ。」

と斉藤がへらへら話している。

「おまえんとこ、おもろいな。俺、坂井 春也。ハルでええで。」

「俺、神坂 リキト。リキトって呼んでや。」

それぞれ自己紹介し笑顔を見せると、斉藤もまた笑った。

「おう。俺は斉藤にしてくれ、(はじめ)はなんか嫌やわ。」

「「わかった。」」


それから、その斉藤もバスケ部志望だってことがわかり

俺たち3人は意気投合。


「だからか~俺、ハルのこと見たことあるって思って。

それで声かけてん。」

「え?そうなん?」

「うん。I中のエースやった人やな。」


まあ、そうやけど。

なんか、自分でエースって言われて『うん』って言うのもなあ。


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