なんで俺じゃあかんねん
「そうやな。俺も、めんどくさいけど頑張ろうと思ってる。
そうや!ピアノは大丈夫?
文化祭までなにかと放課後あると思うけど。」
「うん、大丈夫。コンクールが近いわけじゃないし。」
「そっか。俺もおるし、優先したいときは抜けていいから。」
「ありがとう。」
そう言って前を向くと、後ろをちらっと振り返った葵と目が合った。
え?
向こうは、一瞬びっくりしたようだが、
またすぐに真田先輩と話し始める。
なんや?
てか、あいつ・・・笑いすぎやろ。
前の二人は、どこから見ても仲のいい高校生カップル。
こうして実際に二人が並んで笑い合いながらしゃべってるのを見ると
やっぱり辛いな。
葵のやつ、俺に対してはあんなふうに笑わんくせに。
その事実にやっぱり俺と真田先輩は、葵にとっては違う分類と実感させられる。
俺は、弟
先輩は、男。