なんで俺じゃあかんねん

「え、誰?この学校?」

「それは~。」

「言うな!!」

思いっきり睨みを利かせてリキトを見た。

今のこいつのノリなら本当に言ってしまいそう。

冗談じゃない。


「あ、ごめん。

これ以上言ったらハルがキレるから言えんわ。」

さすがに、本気の俺の顔を見てリキトがクールダウンしていく。


「そうか~残念。

てか、ハルくらいのイケメンやったら、告ったら即効OKやろ!?」


こいつ、わかってへんな。

告白。それができたら苦労しない。

本当に斉藤の言うとおり。

もし、俺の好きな奴が普通に、全然関係のない赤の他人やったら

俺、絶対恋実ってる。

実らせる自信がある。


「まあ、いろいろあんねん。」

俺が誤魔化すと『そうか。』と斉藤はそれ以上聞いてこなかった。


だから俺は、こいつとならやっていけるなと思った。

こんな風に、相手の表情を読んで踏み込まれたくないところには踏み込まないようにできる奴。

つまり、空気の読める奴だと思った。


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