なんで俺じゃあかんねん
「早く、教室・・・行こう。時間ないし。」

話を終わらせたくて、無理矢理切って歩き始めた。

「待って、坂井くん。

私・・・私は応援したくて・・・。」

雅さんが俺の服の裾をつかむ。

仕方なく振り返ると、うつむいていて表情は見えない。

「坂井くんには、いつもお世話になってるし
本間に感謝してて。

それに、坂井くんはいつも応援してくれるから。

だから私も。」

応援、か・・・

バスケ部の奴らに応援された時は、素直にうれしかった。

けど、今はちがう。

あの時は、あいつら俺の好きな人が誰かわかってなかったから。

でも、雅さんはそれが誰かわかった上で応援すると言う。

雅さんのことやから、本心で言ってくれてるんやろう。

けど、なんか喜べんわ。

だって、俺ら姉弟やで?

応援するって、雅さんが何してくれるわけ?

それともなんか相談すればいいんか?

相談事なんてない。だって、そんなエピソードすらない。

いつだって、苦しいだけ。

その苦しさは誰かに言いたくない。みじめなだけや。


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