なんで俺じゃあかんねん

中に入ると、そこはM高の制服で溢れ帰っていた。

案内されて席につく。

そしたら


「あ・・・・。」


横でしゃべりまくってるJK。

4人でもう食い終わったくせに、ドリンクバーでねばっている。

こういう客がおるから、店の回転が悪くなるねん。

まあ、それ・・・・葵やけど。


「あ!」

リキトが葵を見て声を上げる。


「え?なに、リキト知り合い?」

斉藤は、不思議そうな顔。


リキトの声に葵が気づいてこっちを見た。

そして、あからさまに嫌な顔。
もちろん、俺と目が合って。


「あれ、ハルの姉貴。」

「え!?マジで?」

リキトの説明に、斉藤はびっくりしたように葵をもう一度見た。


「似てない・・・」

斉藤は、無意識なのか小さくつぶやいた。


・・・まあ、血つながってないしな。

思ったけど特になにも言わず、ただ葵とにらみ合う。



「あ!春也くんやん。」


葵の友達の一人が俺を見て言う。

あの友達は知ってる。

葵が小学生の時から仲良い佐々木 杏奈(ささき あんな)

何回か家に来たことがあるから。

葵は"杏ちゃん"って呼んでいた。


「うっそ!

あれ、葵の弟?めっちゃイケメンやん!」

「可愛い~」


葵の友達らが口々に言う。

あの二人は、たぶん高校なってからの友達やな。

見たことないもん。


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