なんで俺じゃあかんねん
「お~~!!ハルおめでとう!!」

斉藤の前にいた遼が俺に向かってとびきりの笑顔。

「あんなに好きやったもんな。」

上原もしみじみとつぶやく。


「やめてくれ、ホンマにはずかしい・・・。」

顔を隠したまま俺がそういうと、みんなはさらに笑った。


「ハルに彼女か~!

しかも、ハルってラブラブになるタイプやってんな。

もっと冷めてるんかと思ってた。」

斉藤も言葉に、俺も同意したい。

だって、俺自身驚くばかり。


好きになったのも、付き合うのも葵が初めてやから知らんかった。


「俺も俺も!

どんな人か気になるな~!!」

「あ~~確かに!!」

飯島の声に遼も大きく賛同する。


「・・・・え?」

嫌な予感がして顔をあげたけど、遅かった。

すでに、リキトを除く5人が『紹介してもらおう』と盛り上がっている。


「いやいや・・・さすがにそれは迷惑ちゃうか?」

事情を知っているリキトは、なんとか止めようとしてくれたけど

「なに言ってんねん!」
「そうや、別にちょっとの時間やん。」
「こういうのは早い方がいい。」

とかなんとか言われて、5対1では勝負にならなかった。




そして、結局あれよあれよと言う間に

次の半日練習のときに、葵を部の奴らに紹介する、という危機的状況が作られてしまった。



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