なんで俺じゃあかんねん
翌日部活終わり。

着替え終わって、1年全員で葵が待っている駅まで歩く。

「ほんまに大丈夫なんか?」

リキトがこそっと俺に話しかけてきた。

「・・・たぶん。

でもリキトも協力してな?」

「それはするけどさ。」

俺も正直不安しかない。

でもここまで来たら、やるしかない。

なんとか誤魔化しきるしかない。


俺とリキトを覗いた他5名はわくわくしている。

斉藤も、変える方向違うくせにチャリ引いて遠回りしてるし。

遼と祥ちゃんは、さっきからどんな子なのか、という話題で盛り上がっている。

「やっぱり年上で、ハルが好きになるって言ったら綺麗系やろ?」

「やんな~。大人っぽいお姉さんって感じなんやろうな。」

聞こえてくる会話に否定したくなるけど、ぐっと我慢。


今日の一番の目的はあくまでさらっと葵を紹介して、すぐに解散する。

そのためにも会う前から盛り上がらないほうがいい。


できれるだけ短い時間にするのがいいな。

だって、長くなればなるほどバレるリスクがあがる。

それにしても、変装って・・・
葵、どんな格好してくるんやろ?

それはちょっと気になるな。


そんなことを考えながら歩いていると、駅は割とすぐに見えてきた。


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