なんで俺じゃあかんねん
「ハル、おつかれ。」

にこっと笑って、俺にスポドリのペットボトルを差し出す。

「ああ、ありがとう。」

変装した葵の姿に驚きをかくせない。

けど、なんとか平然を装ってペットボトルを受け取った。


部の奴らは、少しの間葵のことを観察するように見つめていた。

葵は、あくまで笑顔をくずさずみんなに向かってぺこりと頭をさげる。

「はじめまして。

佐々木 あいです。ハルがいつもお世話になってます。」

ささきあい?

だれや、それ・・・。

まあでも、偽名も必要か。本名名乗るわけにもいかないし。


「こちらこそ、はじめまして。神坂 リキトです。」

なにも言わない他の奴らから一歩前でて、リキトが自己紹介を返した。

たぶんリキトなりに場をすすめようとしてくれてる。


他の奴らがなにも言わないのが少し怖い。

とくに遼と斉藤。

バレ、た・・・?いやでもバレてないはず。

俺はドキドキしながら他の奴らの様子をうかがっていた。
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