なんで俺じゃあかんねん
リキトに続いて、周りの奴らの冷やかしが続く。


「ハル~、よかったな!」
「ラブラブやん!」


冷やかしを受けて、俺らは手をつないだまま、また赤面する。

「ハルのこと、よろしくお願いします。」

遼が一歩進んで頭を下げた。


「こいつ、いい奴なんで。
あと、マジで彼女さんのことずーっと好きやったんで!」

「おい、斉藤!余計なこと言わんでいい。」

ニヤニヤしてる斉藤の肩を軽く叩くと、大袈裟なリアクション。

「いってえ!事実を彼女さんにも伝えといたほうがいいやろ?」

「だからって、なんでおまえが伝えるねん!」

俺が睨むと、葵も含めてみんな笑った。


「ありがとう。

これからも、ハルのことよろしくね。」


姉のときの癖なのか、果たして彼女としてなのか。

そんな挨拶をしている。


「じゃあ、俺らはここで。

今日はありがとうな。またな!」


俺は、今度こそ葵の手を引いた。


そんな俺ら二人を、部の奴らは笑顔で見送ってくれた。

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