なんで俺じゃあかんねん
「これからきっと、苦しいことがある。
俺らが姉弟なことに変わりはないから。

でも、俺が絶対守るから。

葵を傷つけるような奴がいたら、俺がどんな手つかっても退治したる。

俺は、おまえのヒーローやからな。」


さっき言われた言葉をそのまま返すと、相手が少し笑った気配がした。


「うん。わたしも、ハルと一緒ならきっと乗り越えられる。

今まで傷つけた人のことも、一生忘れへん。
その分強くなる。」


「おまえは十分強いよ。」

「そんなことない!」

「・・・まあ、ちょっとくらい弱いとこないとヒーローの出番ないしな。」


俺が冗談交じりに言うと、くすくすと笑う。

そんな葵の額に口づけて、また抱きしめる。



「俺が、おまえを世界で一番幸せにするから。

その自信はあるから。」


だって、俺はおまえのこと世界一わかってるし、
一番長くそばにいるし

誰よりも愛してるから。



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