なんで俺じゃあかんねん

「ちょっと、みんな落ち着いてって!」

横山さんもあたふたしだした。

俺はどうしたらいいのかわからないので、とりあえず席につこうとしたら

なぜか宮川くんにとめられた。


「え?」

「いや、坂井くんがもどったらあかんやろ?」

「俺関係なくない?」

「あるやろ。」

え~なくないか?

でも仕方ないので、黒板の隅の方に邪魔にならないように立っておく。

ちょうど、斉藤の席の前。担任も、今はそこに椅子を持ってきて座っている。


「亜優、ウチ女子の文化やるわ!」

「やってくれんの?」

「ちょっと待ってよ!それおかしくない?」

「そっか、おかしいかな?」

横山さんは両方から責められるみたいな形で困ってる。

なんか申し訳ない。


「てか、みんな男子が坂井くんに決まった途端、態度変えすぎ。」

「あたりまえやん!」
「坂井くんとちょっとでも仲良くなりたいもん!」
「そうそう。」

騒ぐ女子たち。

その光景を見て、俺はなにも言えない。


なんで、こんなこと想ってくれるのか、俺にはわからない。


顔ってそんな大事か?

ただ顔が良い奴と付き合いたいってだけか?

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