なんで俺じゃあかんねん
その日の夜。
俺は、思い切って晩飯時に雅さんのことを聞いてみるとこにした。
話の区切りを見つけて切り出す。
「なあ、雅 葉月って知ってるか?」
「めずらしいな~。ハルが自分から話ふるなんて。」
母さんがびっくりしたように目を見開く。
「それは、おいといて。知ってるん?」
「そりゃ、知ってるで!なあ?」
と父さんにふる。
「まあなー。日本人の誇りやからな。
ハルとおんなじくらいの歳やったんちゃうか?」
「うん。同い年。」
「なんで言い切れんの?」
「同じクラスやから。」
そう言った俺に、他三人は箸を止めた。
「え!?じゃあ、やっぱりうちの高校に入ったっていう噂、
あれはホンマやったん?」
葵が驚いて、こちらを振り返る。
「葵らの学年にも広まってたんか。」
「あたりまえやん!あんな天才少女やで?
あたしは、まだ直接見たことないけど。
同じクラスとか、すごいなハル。」
「クラスどころか、席隣やし、委員同じやで?」
「マジで!?やばっ!!」
興奮して、俺を見たまま固まる。
「ハル、それホンマか?」
父さんまで興奮してるし。
「うん。」
「すごいやん、ハル!!
今のうちにお近づきになって、ゲットしとき。」
「はあ?」
母さん、なに言い出す!?