なんで俺じゃあかんねん

なんか、緊張するな。

全然しゃべったことない人の近くによるって。

まあ教科書見せてもらうためやから、しょうがないけど。

そんなことを考えながら、ぴったりくっつけられた机と

その上、ちょうど二つの机の真ん中に広げられた教科書を見る。

あ~なんか眠くなってきた。

俺、こういう縦書きの小さい文字見ると眠くなってくるねんよな。

少し、船をこいていると、なんか視線感じる。

すっげぇ、横から視線感じる。

居心地がわるくなって、目をあけると、ばっちりその人物と目があった。

向こうは慌てたように目を見開いてから教科書に視線をもどす。

・・・・なんや?

まあ、ええや。

寝とったら、あかんな。

俺も教科書見とこ。



「じゃあ、このときの主人公の気持ちを表した一文を本文中から抜き出してください。

次は、えっと・・・坂井くん。」



え!?

俺・・・・!?

うそやん・・・・。

眠くて全然聞いてなかった。


「坂井くん?はい、立って。」

「は、はい・・・・えっと・・・・・」



てか、

まず、この小説の主人公って誰?

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