なんで俺じゃあかんねん

俺が困っていると、

横から教科書の一文をさす指がのびてきた。

・・・え?

驚いて、その指の持ち主に目を向けると

『ここ』

というように、俺を見返してくる。


「坂井くん?なにか答えてください。」


「あ、はい。

16ページ5行目の『わたしはあまりの衝撃に言葉を失いその場に立ち尽くした』です・・・・」


とりあえず、雅さんを信じることしかなかった。

だから、雅さんが教えてくれた答えを言う。


「はい。その通りですね。」


はあ・・・・・よかった~

俺は安心して、席につき、雅さんを見る。

「ありがとう。助かったわ。」

小声で、そう告げると少し笑って首を軽くふった。



もしかして、雅さん、別に冷たくもないんかな?

それやったら、ええんやえど。

これから委員一緒なわけやし、できれば仲良くしたいしな。


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