なんで俺じゃあかんねん
「坂井くんも、バスケ部なんよな?」
萩野さんは、女子らしくにこっと笑う。
「うん。せやけど、も、って?」
「紗枝のクラスにも相崎くんと山木くんおるから。」
「あ~せやったな。遼と祥ちゃん、2組やったわ。」
「うん!一緒のクラス。
でも、今年のバスケ部ってホンマレベル高いよな~!!」
え?
レベル?
「俺ら、まだ試合でてないけど。」
「そうじゃないって!!外見の話。」
が、外見・・・?
「坂井くんは、間違えなくこの学年で1番かっこいいし、
相崎くんは、小動物系でめっちゃ可愛いし。」
確かに、遼は動物っぽいな。
「あと、山木くん!授業中のめがね姿と普段のギャップが、超いい!
優しいし・・・まあ、彼女おるけど。」
萩野さんは興奮気味にそんな話をしてくる。
「他の部員の人たちもみんなブサメンおらんやん?
紗枝的に、斉藤くん?とかいう人おるやん?」
そこでまた目を輝かせる。
「斉藤って、うちのクラスやで。なあ、三木。」
「うん・・・」
「そうなん!?
その人な、普通にしてたらかっこいいねんけど、
笑ったらえくぼでてめっちゃ可愛いんやんか~!!」
そういえば・・・斉藤、えくぼあったような。
でも、あの斉藤がかっこいいって思われてるなんて・・・
本人聞いたら、超絶に喜ぶやろうな。
「ここのクラスなんやったら、会いたかったな~。」
「ちょっとはぎちゃん!!俺、おんねんけど。」
不服そうに萩野さんを見る三木。
「あ、ごめ~ん!興奮してもた。
だって、しょうがないやん?紗枝、面食いやし。」
「ま、それは知ってるけど。」
なんか、三木がちょっとかわいそうやな。