桜縁




お互い流派は違うが、共に道場にいた仲である。


山南の二太刀をあっさりと受け流す沖田。


「読めてますよ 山南さん?」


「君は強くなりました。先の任務で更に精進したようですね。」


「おかげさまで、でも、そんなに無駄口たたいていると、いつか痛い目を見ますよ?」


「望むところです、いきますよ沖田君!」


「!」


山南との真剣勝負は、今までのものとは明らかに違っていた。


その勝負を見る者は、その凄まじさに呆気を取られてしまう。


突いばいを繰り返し、後ろへ飛びのく。


すると、沖田の構えが変わる。


「!」


それに気づく山南だが、関係なしに沖田へと突っ込む。


しかし、沖田はニヤリと笑い、刀を容赦なく山南へと向けた。



響き渡る音と共に、試合は絶頂期を迎える。


最後に出て来たのは、第四試合を行う月と原田である。


「……!」


月の姿を見て、驚き動揺する会津の者達。


「近藤君、これはいったいどういうことだ?彼女は女ではないのかね?!」


「はい、ですが彼女のは護身用として身につけたものでして、その実力は男よりも、勝った腕前を持っております。」


「なるほど……。」


それはそれで興味深いというものだ。殿様は目の前で繰り広げられようとしている試合に目をむけた。


月と原田は闘技場の前へと立つ。


原田は刀ではなく、いつも使用する槍を持って来ていた。


月の申し出で少し迷いもしたが、結局刀ではなく得意とする槍を使うこととなったのだ。


「……本当に大丈夫なのか?今からでも、刀の方が良いんじゃねぇか?」


まだ、戸惑いを隠せない原田。


やはり女相手に刃を向けることは、気が引けるものである。


「大丈夫です。お願いします……。」


月は原田に木刀の切っ先を向けた。


ここまで言われては、観念するしかない。


「そう言ったからには、全力でいくからな 覚悟しろよ 月?」


原田も槍を構えた。


「始め!」


太鼓の合図と共に、原田が槍で攻める。


月はそれを交わし続ける。



「月の奴、サノさん相手に大丈夫なのかよ……!?」


「今のところ、押されてるみたいだな……。」


原田の突きの速さや、槍の振るいは、敵味方問わず圧倒してしまう速さだ。


それを交わし続ける月。


攻撃を入れる隙もない。


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