裏切りの恋
あたしは一体、何を期待していたのだろうか…。
彼に何を言われたかったのだろうか。
自分は明を好きと言いながら
明を第一優先にすると言いながら
裕翔に何を求められたかったんだろう…。
空っぽになってしまった頭で、あたしはそのことばかりぐるぐると考えていた。
あっという間に家に近くに着き、この前と同じ位置で車は停まった。
あたしの心は少しだけ平常心に戻り、ようやく言葉を発することが出来た。
「それじゃあ、明日からは本当に、ただの仕事場の人…ですね」
「そうだな」
「タメ語も、裕翔という呼び方も……もうやめにします」
たとえ二人きりになる機会があったとしても、思い出してしまいそうだからもう封印する。
ちゃんとこの先ずっと、一線を引けるように……。