抹茶モンブラン
SIDE 光一

 夜が怖いという鈴音の傍で眠った。
 こんな添い寝でいいなら、毎晩でも彼女の隣にいたい。
 なのに、自分の環境がそれを許さない。

 何度でも、いつまでも、鈴音との甘いキスを繰り返していたい。
 お互いの吐息しか聞こえなくなって、頭が真っ白になる。
 ディープキスに溺れるにしたがって、自分の欲求がエスカレートする。

 鈴音の中でもその気配は感じているらしく、嫌がっているというよりは、先に進むのがちょっと怖いという雰囲気だ。
 もちろん抑えるのは相当つらいんだが、僕も一応30歳という年齢だ。
 がむしゃらな気持ちで女性を抱こうとは思わない。

 それでも僕が鈴音の事を全部支配してしまいたくなっているのは、普通に彼女を好きだという気持ちの他に、高田という強力なライバルが出現したせいもある。

 要するに……僕はごく自然なかたちで鈴音に接近しているあの男に嫉妬している。
< 93 / 234 >

この作品をシェア

pagetop