† Lの呪縛 †
ダグラスが着替えを済ませビリヤードルームに着くと、既にQuasi- angelsのメンバーが集まっていた。



「私はいつかこうなる事になると思ってたわ」



ワイングラスを傾けながら、キャシーが静かに呟いた。



「それで? エリオットちゃんはどうしたの?」

「始末したよ」



ダグラスは抑揚の無い声でキャシーに言葉を返し、革張りの一人用のソファーへ深く腰掛けた。



「ふふっ、怖い人ね」



キャシーは楽しそうに口元を緩め、ワインを一口飲んだ。



「お嬢ちゃんはどうしたんだ」

「部屋で眠っているよ」

「そうか……ところで、誰を雇った」

「優秀な男だ。 味方の内は心強い」

「味方の内は、か……。 その男の詳細を教えろ。 いざという時の為に手を売っておく」

「グラハム、その時は私にもお前にもどうする事も出来ないだろう」



グラハムは納得できない顔を見せた。


睨みつける様にダグラスに視線を送っている。



「やだぁ、そんなに凄い男なの? いざという時は私もその男に依頼しようかしらぁ」



ピリピリとした空気を壊す様に、キャシーの戯けた声が割って入った。



「はんっ、そんな得体の知れねぇ男をそばに置いてると、てめぇがその内痛い目みるぞ」

「オリヴィアが手の内にある間は問題ない」

「どういう意味だ」




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