† Ｌの呪縛 †
オリヴィアの体調も回復した頃、レッドフォード伯爵家では、クレアが慌ただしく動き回っていた。


クレアが頭を悩ませている様を、ノエルは呆れた様子で見ている。



「お母様、今更そんなに悩んでも仕方が無いでしょう」

「だってやっぱり他の物の方が良い様に思えてきてしまったんだもの！！」

「その気持ちは分かるけど、オリヴィアが辛そうだよ」



ノエルの言うとおり、オリヴィアはグッタリとソファーに横たわっていた。


ハッとしたクレアは慌ててオリヴィアに駆け寄った。



「ごめんなさい、オリヴィア……私ったら全然気が付かなくって……」

「ううん、私なら大丈夫だよ。 お母様、ありがとう」



シュンっとするクレアの手を握るオリヴィア。


これではどちらが母でどちらが娘なのか分からないな……と、ノエルは思った。



「やっぱり今日は白地をベースにしたドレスにしましょう」

「僕もそれがいいと思うよ」



クレアの意見にノエルが同意し、オリヴィアは静かに微笑んだ。


今夜はルーズヴェルト公爵家主催でパーティーが催される。


オリヴィアの初めてのパーティーという事で、オリヴィア本人よりもクレアが張り切ってしまい、ドレスや靴、アクセサリーが中々決まらなかった。


そのため、色んなドレスを着たり脱いだりしていたオリヴィアは疲れてしまい、ソファーに横たわる羽目になってしまった。





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