† Lの呪縛 †
「ダグラス!! クレア!! 久しぶりだな!!」

「あぁ、久しぶりだな、エドガー」



ルーズヴェルト公爵家当主エドガーとダグラスは、力強く抱擁し合い笑いあった。


クレアもルーズヴェルト公爵夫人のヴァネッサと、上品に挨拶を交わしている。



「ノエルも久しぶりだな。 元気にしていたか?」

「お久しぶりです。 お陰様で元気でしたよ。 ルーズヴェルト公爵もお元気そうで何よりです」

「ん? そちらのお嬢さんはもしかして、レディ・オリヴィアかな?」



エドガーに名前を呼ばれ、ピクッと肩を揺らしたオリヴィアは、おずおずと顔を出した。


オリヴィアと視線が絡み、エドガーは言葉を失った。



「まぁ! お噂通り綺麗なお嬢さんだこと」



エドガーはヴァネッサの声にハッとなり、我に返った。



「オリヴィア、こちらは私の古くからの友人のエドガーとその妻のヴァネッサだ」

「初めまして。 オリヴィアです。 本日はお招き頂き有難うございます」



遠慮がちに挨拶をし、ドレスを持ち上げ腰を折る姿は初々しく、そして愛らしく、周りの者たちを魅了した。


ノエルの心の中は既に大荒れだった。


周りにいる男はどれもかしこも敵に見える。






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