愛言葉

「―――っ」

「言ったじゃん。“偵察”好きだって。」

「休み時間ごとに見に来てたんだ…」

「それって、真祐とよく一緒に居るって認めるって事？」

真咲の表情がどんどん曇ってく。
焦る一方で、なんだか怒りの様なものが湧いてきた。

「何で一緒にいちゃだめなの？真祐くんは友達じゃん！」

「ダメなんて言ってない！」

「言ったよ！話すなって言った！それって一緒に居ちゃいけないって事でしょ？それに、友達に偵察とかさせて…酷い」

「させたんじゃねぇよ！勝手にしたんだ！」

真咲の口調がいつもと違う“ねぇよ”とか言わないし、そんなに強い言い方もしない。
―――怖い。こんな真咲、知らないよ。

でも、真咲をこうさせてしまったのは、私。

「お前さ、真祐のこと…好きになったんじゃないの」

「え…？」

「普段ボーっとしてるのって、真祐の事考えてるからだろ？」

「ち…ちがう…っ」