貴方に愛を捧げます。
ある国の城の一角で城にいるはずのない怪しい男に囲まれた高級なドレスを見にまとった5歳くらいのルシャーナが居た。
男たちはどうやってルシャーナを誘拐してリアーナ王国から金を巻き上げようかと話していた。
ルシャーナは怯えて叫ぼうとしたとき…
口に手を当てられて…
「パパとママのとこに帰りたいなら静かにしててね〜。
煩くしたら痛いことしましゅよ〜」
にやにやしながら人をバカにするように喋った男の一人。
「そろそろ行かねぇとバレるぞ。」
「そうだな、行くか…「こっちだ!!怪しいやつらがいる!!」
「ちっ、バレたか、行くぞ!!
お前ら!!」
男たちはルシャーナを抱え走り出したが…
前から兵士が何十人も来た。
後ろを見ても前と同じ光景だった。
「ちっ、挟まれた。」
「捕まえろ!!」
「こうなりゃ自棄だ!!
動けばこの娘がどうなっても知らないぞ!!」
そう言った男はルシャーナに刃物を向けていた。
幼いルシャーナは泣かないように唇を噛み締め震えていた。
「ルシャーナ様!?」
兵士たちは悔しそうにその男を見ていた。
「ふっ、それでいい。
この娘を返してほしければ金を出せ。」
「はっ、お前らなんかにやる金なんてねーよ。」
兵士を誘導してきた少年が冷めた口調で鋭い目付きで男を睨んでいた。
「なんだと!?このくそ坊主が!?」
「王子にむかって…なんて無礼者だ!!」