貴方に愛を捧げます。



ガンッ

カランカラン…


「今だ捕まえろ!!」


皆の視線がまだ幼い王子と呼ばれる少年と男に向けられていた間に兵士の数人が武術をかました。
ルシャーナは男から解放されたが唇を噛み締め下を向いたまま動かない。


「ねぇ、君大丈夫?
怖かったんでしょ?」


声を王子と呼ばれる少年がルシャーナの頭を優しく撫でながら声をかけた。しかし、急に鳴き始め返事が返ってこなかった。


「えっ…
んーしかないなぁ。
僕のお気に入りの場所に連れていってあげるよ!!
ここ僕のお庭みたいなものだから!!」


ニコニコ笑いながら話をしルシャーナの手を引いて少年は城内にある花畑に行った…



ーーーーーーーーー


少年がルシャーナを案内した花畑は美しい色とりどりの花が咲き乱れその奥には木々に囲まれた滝が見えるものだった。
そして、月明かりがそれらを照らしこの世のものとは思えないほど幻想的で神々しい雰囲気を醸し出していた。


「わぁーキレー。
お花さんとお月様だぁ!!」


さっきまで泣いていたルシャーナはそれらを見てとても笑顔になった。


「ありがとう!!
ねぇ、私ルシャーナって言うの!!あなたは?」


「俺?俺はジョフィード。」


「ジョフィード?
ねぇねぇ、サリーナおうこくのジョフィード王子さまなの?」


「そうだよ。
ルシャーナ姫。」


にこりとジョフィード王子はルシャーナに笑いかけルシャーナも笑顔になった…



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