天使の歌
キュティに会う前は。
生と死は、セティにとって、“無”だった。
生きる事に、執着等 無かった。
死ぬ事に、抵抗等 無かった。
只、自分の存在すら否定する天使達に殺されたくない。
そんな奴等の為に死にたくない。
そう言う、歪な想いだけで、生に縋り付いて来た。
でも。
キュティと一緒に旅を するように なってから。
生きる事に、執着が生まれた。
死ぬ事に、恐怖を覚えた。
灰色だった世界に、色が付いた。
何も感じないように していたのに、様々な事を求めるように なった。
俺は。
生きたいんだ――。