天使の歌
「……よぉ、セティ。久し振りだな。」
そう言って笑うスティの顔は、不気味だった。
セティの背に、悪寒が走る。
キュティ達4人は立ち上がり、身構えた。
スティは、笑顔のままだ。
「何で、殺さなかった?」
「…………。」
「情けを掛けたつもりか?」
「…………。」
「何か言えよっ!!」
スティが怒鳴ると、セティは辛そうに顔を歪めた。
「スティ……もう、止めよう。」
「止めねェよ!!止める訳、ねェだろうが!!」
その叫び声と共に、スティが雷の神霊(みたま)を操り、セティを攻撃する。
セティは素早い動きで それを避け、桜と樹はキュティを連れて後ろに下がった。
「スティ!俺は もう、戦いたくない!!」
「お前の意思なんざ、どうでも良いんだよ!!俺は てめェに屈辱を味あわせて、殺してェんだっ!!」
「っ!」
雷の神霊が、セティの頬を擦る。
その時。
「どうして!?」
高く澄んだ、キュティの声が聞こえた。