ナピュレの恋【完】
「あ…甘めで…あまり強くないのが、いいな」


明らかに彼より年上で、三十路女が甘くて強くないカクテルなんて笑われちゃうかな。


そう思いながらチラリ裕也を見ると


「はぁい、ちょっと待っててくださいねぇ」


笑顔で作り始めた。


けど、シェイクする時の裕也の目は真剣で一瞬ドキリとし、慌てて裕也から目を外し店内を見ることにした。


今日は平日だからなのか、時間帯なのか客は、なつこ一人だった。


照明は少し薄暗く、心地いいBGMがかかっていた。
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