桜廻る




「……雅」


「はい」





土方は雅の髪を、優しく撫でた。


そしてまた、抱きしめる。


再び、間を置き……。





「俺の妻に、なってくれ」





途端に、雅の目から涙が溢れた。


土方は体を離し、雅はあの櫛を……ぎゅっと握った。





「はい……っ」




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