王に愛された女




 ガブリエルが国王の目を見つめたまま

「神と…契約?」

 彼の言葉を復唱した。

「そうだ。…俺の一族はこの剣を使って王国を収めてきた。王家の俺も、この剣と契約した身だ」

「この剣は…何なんですか?」

 国王はニヤッと笑う。

「神の力を封じた剣だ。この剣を持つ者は、神と同等の力を得たことになる。…だが、この力を得るには、神を倒さなくちゃいけないんだ…」

 ゾクリ

 ガブリエルの全身を、悪寒が駆け抜けた。

「国王の先祖は、その神を倒したんですか?」

「…風の神だ」

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