王に愛された女
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「王様、何故わが孫娘を選ばなかったんですか?」
フリーゼルはそっと尋ねた。
「…来月、俺の妻となるガブリエルは俺の唯一の理解者だ」
国王がたやすく告げる。フリーゼルは国王の態度に苛立ちを覚えた。
「王様、失礼ながら申し上げます。国の頂点に立つ王妃がガトヤ出身の者だと知ればムロヤの貴族たちは黙っていないでしょう」
「…神になる資格を持つ者でもか?」
そう口にして国王は冷笑を浮かべる。
「それが本物の神の証でなければ、意味はありません」
フリーゼルは務めて冷静だった。
「王様が選んだ王妃です。文句は言わない方がいいですよ?」
フリーゼルが敵対視しているルークが薄ら笑いを浮かべて言った。