王に愛された女




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 現在――。

「話さなかったら、私をどうなさるおつもりですか?」

 アリシアはルークを睨みつけた。

「…王命に背いたとして、打ち首をする」

 ルークが冷静に言い放つ。

「…わかりました、お話します」

 アリシアは息を吐き出した。

 ルークがやれやれと言いたげに肩を竦めた。

「オラシオン王もガブリエル王妃も生きておられます」

 その答えを、予想していたのだろう。

 ルークは驚く素振りを見せない。やはり、という思いの方が強いようだった。

「…驚かないのですね」

「予想はしていた」

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