ブラックⅠ-出会い-
アキさんに連れられて着いた先は広いリビングのような場所、
大きなテレビにソファー、オシャレなキッチンにテーブル。
「ここ共同スペースだから好きに使って。この階に住んでるのは俺とリュウガとレイジで、他の階は会社のオフィスとして使ってるから。」
私がいるのは五階だから、下のスペースは全部オフィスってことか…凄いな。
裏の世界っていっても、やっぱり普通のお仕事もあるんだ。
詳しくは突っ込めないけど、少しだけ気になる。どんなお仕事してるんだろう。
私がアキさんに続いて部屋に入ると、ソファーから少しだけはみ出た金髪の頭。
「レイジ、今日からお前の学校にアオイちゃん通うから送り迎え頼むな。」
アキさんの言葉にゆっくりと振り返ったのは、昨日私をリュウガさんの所へ案内した金髪の男。
切れ長の目に高い鼻、やんちゃそうな八重歯はあきらかにモテる系の顔立ち。
「はぁ?めんどくせーよ」
本当にかったるそうに嫌な顔をするレイジ。
別に私だって学校くらい1人で行ける。
そんな嫌な顔されたくないんだけど。
「あの…別に私1人で行けます…」