星月夜のマーメイド

少し前。

子を亡くしてからしばらく離れ離れだった私たちは、心身の保養と子供の弔いに、私の実家近くにある無人島に行こうと計画を立てていました。

それは彼からの提案でした。


久しぶりに彼からのメールにときめきました。


私もまだ彼が好きだから、これを機に強くなろう。彼を支えようと。




当日、彼は来なかった。


それが彼のお見合いの日だったからです。


無情にも、それはお義父さんからの電話で知ったのです。
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