ツンデレ彼女。



* * * *

昴は放課後、廊下に居た。


部活中に怪我をして保健室から出てきた所だった。


顧問にも帰っていいと言われたため
帰ろうと鞄を教室へ取りに行く。


誰もいない廊下はいつもより
広く静かで不思議な感じがした。




「.......ん?」




昴が首を傾げる。
教室の中から廊下に光が漏れている。


(だれか教室に居るのか?)


昴はハッと思い出した。
今日の社会の時間、高坂が言っていた
補修の事だ。


実は本来昴も補修だったのだが
部活行きたさにサボって来ていたのだ。


まずい、と舌打ちし足音を忍ばせながら
教室に近づいていく。


かすかにではあるが
話声が聞こえてきた。

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