祈りの月
走って海岸へ着いたカイは、荒い呼吸のまま、霧雨のなか目を凝らして海岸を見渡した。
すぐにレイアの姿は見つかった。
(レイア・・・?)
ざああん、と打ち寄せる波。
金色に光る月雨の中。
いつもの場所に雨に濡れたまま海を見つめて立つ、その姿を目にした瞬間、――カイの中で、何かが弾けた。
無意識に走り出す。
「レイア!!」
カイは砂を蹴りながらレイアの元へ駆け寄ると、乱暴とも思える動作で、彼女の小さな体を両腕で抱き寄せた。
びっしょりと濡れた体は、ひどく冷え切ってしまっている。おそらく、ずっと雨の中に立ちすくんで海を眺めていたのだろう。
「―カイ・・・・・・??」
急に抱きしめられて、レイアはかすれた声で呟いた。
驚いてしまって、声が良く出ないのか、いつもの彼女の声とはまったく違う弱くて小さな声がカイの耳を打つ。
「びっくり、した・・・・・・」
「何してるんだ、雨が降ってるのに! びしょぬれじゃないか!」
「カイ―・・・本当にカイ、なの? もう、来てくれないかと、思った・・・・・・私・・・・・・」
レイアの呟くような言葉に、カイは無言で頭を振った。
すぐにレイアの姿は見つかった。
(レイア・・・?)
ざああん、と打ち寄せる波。
金色に光る月雨の中。
いつもの場所に雨に濡れたまま海を見つめて立つ、その姿を目にした瞬間、――カイの中で、何かが弾けた。
無意識に走り出す。
「レイア!!」
カイは砂を蹴りながらレイアの元へ駆け寄ると、乱暴とも思える動作で、彼女の小さな体を両腕で抱き寄せた。
びっしょりと濡れた体は、ひどく冷え切ってしまっている。おそらく、ずっと雨の中に立ちすくんで海を眺めていたのだろう。
「―カイ・・・・・・??」
急に抱きしめられて、レイアはかすれた声で呟いた。
驚いてしまって、声が良く出ないのか、いつもの彼女の声とはまったく違う弱くて小さな声がカイの耳を打つ。
「びっくり、した・・・・・・」
「何してるんだ、雨が降ってるのに! びしょぬれじゃないか!」
「カイ―・・・本当にカイ、なの? もう、来てくれないかと、思った・・・・・・私・・・・・・」
レイアの呟くような言葉に、カイは無言で頭を振った。